保育園で早期教育は必要なのか?
早期教育とは、未就学児にさまざまな教育を行い、早い段階で色々な知識や技術を子どもに身につけてもらうことです。先取り教育と言ったほうがわかりやすいかもしれませんね。
最近は保育園でも英語や体操、読み書き、計算、プログラミングといった教育を取り入れているところが多いですよね。
教育内容を保育園の売りにしてるところがほとんどではないでしょうか?
純粋なのびのび系保育園はだいぶ減ってる印象です。
私が今働いている園でも教育を少々取り入れてます。
以前働いていた園はバリバリの早期教育重視な園でした。
そんな保育園で働いていた私個人の意見ですが、幼児期の間は…
勉強に対してマイナスのイメージを持たない!
それだけでOKだと思ってます。
なので、
早期教育は必要ないと考えています!
嫌い、つまらない、できない、難しい、めんどくさいといったマイナスの感情を勉強に対して持たないようにするには、余計な教育をしないほうがいいのです。
こんなこと言うと教育に興味のない放任主義なタイプだと思われるでしょうが、私は人一倍教育に関心のあるタイプです。
保育士としても親としても、人間は勉強ができたほうがいいと考えてます。
というより、できるようになりたいという気持ちが大切という考えです。
保育園における早期教育の実態
以前勤めていた園では毎日30分程度、3歳から文字や数のワークをやる時間がありました。
その他、朝の会や帰りの会ではフラッシュカード。週に一回英語。あと体操も。
まぁ熱心だこと!
そんな保育園で毎日たくさん見てきました。
・学習の時間になると脱走する子。
・落書きしたり友達の邪魔をして遊ぶ子。
・やりたくなーいと訴える子。
・やってるふりをしてぼーっとしてる子。
・やりたくなくて鉛筆折る子。
・やりたくなくてワーク破る子。
・「あと何分で終わる?」と1分毎に聞いてくる子。
もちろんこういう子たちは毎日怒られます。
そして最悪なのはやる気がある子ですらやる気がなくなる環境だったということです。
なぜならワークは3〜5歳クラスの子ども
30人くらいを大人3人程度で見て周りながら丸つけしたり教えたりするというやり方だったからです。
・頑張ったのになかなか丸つけに来てくれない!というストレスを抱えながら集中が途切れて騒ぎ始める子。
・1人じゃ不安だから先生とやりたい!でも先生は他の子の所に行っちゃった!もうやらない!とやる気をなくす子。
・わからないから教えてほしい!でも先生が他の子の所に行っちゃった!できない!と手が動かなくなる子。
こんな状態で勉強嫌いにならないわけがないですよね。
毎日ザワザワした動物園みたいな状態で学習してました。
そんなザワザワしてる学習時間に怖い園長先生が来ると途端にシーンとなり、みんな鉛筆を動かし出すのです。
すぐに飽きてザワつき始めるので、園長先生が一喝。
またシーン。
それの繰り返し。
園見学に来る親子はシーンとしてる数分の風景しか見ません。
そして、
「こんな小さな子たちが静かに机に座って集中していてすごい!」なーんて台詞を残していくのです。
園長先生も「毎日やっているからみんな当たり前のようにやっていますよ」なんて言っちゃって。
怖い園長先生と園見学の親子が去った瞬間、いつも通りのざわついた学習風景に元通り。
本当に切なくなりますよ。
当然、勉強嫌いな子どもは多いです!
もちろん勉強が好きな子もいましたが、そういう子は家庭で上手く勉強に興味が持てた子や元々知的好奇心が高めな子だと思います。
子どもの興味関心を引き出すことに徹すればそれで良いという考え
・遊びや生活を通して文字や数に興味を持つこと。
・英語や歌に触れて楽しいと感じること。
・自由に絵を描いて、物を作って完成した喜びを味わうこと。
・好きに身体を動かしておもいっきり疲れること。
そんな基本的なことが後々勉強に繋がるわけです。
子どもが様々な物に触れる機会を、遊びや生活の中でどれだけ作れるかが保育園が担う教育の重要な部分なのではないでしょうか?
遊びや生活で興味を持ったことを学びにどう繋げられるかが保育士の腕の見せ所ではないのでしょうか?
ワークなんて家でできます!!
ぶっちゃけ幼児期のワークは家で親と子がマンツーマンでやったほうがいい思います。
なので私は保育園でワーク系の教育をみんな一斉に強制でやることに意味を感じません。
ワークをやる前の基礎となる興味や好奇心をしっかり作ることのほうがよほど重要だと思います!
まとめ:保育園×早期教育=内容と環境次第で良くも悪くもなる
勉強はとても大事です。
ですが、自分の好きなことや知りたいことを持つほうが長い目で見て大事だと私は考えています。
好きなことを楽しむために調べる。
できるようになりたいことを練習する。
これが勉強の基礎です。
幼児期のうちくらいは勉強の基礎となる欲求を大切にしてあげてほしいです。
どこかで楽しくなくても好きじゃなくても勉強しなきゃいけない日が来るとは思ってますが、それは幼児期ではないのは確かです。
ワークをやるのならせめて子どもの「やってみたい!」という気持ちを引き出してからにしてほしいなと思います。