nanairo保育日記

アラフォーパート保育士が保育の楽しさや悩みを書いていきます!!

「子どもは大人の鏡」は本当だった

子どもを見ると周りの大人の様子がわかる

「子どもは親の鏡」

親としては耳が痛くなる言葉です。

私も1人の親としてドキドキしてしまう言葉です。

 

ただ、保育園でフリー保育士として様々な担任の先生たちと関わり、様々なクラスに入るとよくわかるのです。

「子どもは周りの大人をうつしだす鏡のような存在」

だということが。

 

今回は私が保育園で感じた、大人が子どもに与える影響について書いてみたいと思います。

 

言葉使いと話し方はすぐに伝染する

周りの大人の影響を受けやすいと1番感じるのは話し方や言葉のチョイスです。

先生の注意の仕方とその先生のクラスの子どもが別の子どもに注意をするときの口調やトーンが全く同じで驚いてしまいました。

私は注意をする時にあえて丁寧語を使うのですが、それを真似したのか、2歳でも「〇〇ですよ!」と注意していました。

特にしっかりした大人っぽい子が先生の影響を受けやすい印象です。

先生が子どもたちをまとめるときの話し方や方法を真似し、小さな先生役をやっている子がよくいるのですが、まぁ上手だこと!

よく見ているなと感心してしまいます。



あと面白いのが、兄弟姉妹は話すスピードや話し方がそっくりだということです。

性格は兄弟姉妹で違うタイプでも話し方はそっくりなことがとても多いです。

これはきっと親の影響を受けているのでしょうね。

ちなみに我が家の息子たちも性格は正反対ですが、話し方はそっくりです。

 

友達との関わり方は知らぬ間に大人の影響を受けている

どちらかというとあまり良くないことをしている子に対しての子どもの対応はすごく大人の影響を受けているように見えます。

 

癇癪持ちな子が「うわぁぁ~」と錯乱状態になったとき、先生が「うるさい!」とか「みんなの迷惑!」などの言葉を第一声でかけるタイプだとします。

すると、周りの子どもたちもみんなかったるそうな顔で「また〇〇が騒いでる、うるさい、最悪」みたいなことを堂々と言うようになります。



とにかく行動が遅くて周りに合わせられない子に対して、先生が「いつまでそうやってるの!もう寝る時間だよ。急いで!」といった声をかけるタイプだとします。

すると、周りの子どもたちはみんなバカにした顔で「〇〇って本当にノロノロしてて、何にもできないよね」とその子を見下し始めます。

 

もちろん先生だけのせいではないと思います。

癇癪は周りの子にとって迷惑なのは事実ですし、行動が遅い子も周りの子にとって迷惑になることがあるのは事実ですから。

先生が優しくしたところで「迷惑だな、嫌だな」と思う子はでてくると思います。

ただ、こういったマイナスの感情をおもいっきり表に出して友達を攻撃するのが雰囲気的に正解になるか不正解になるかは先生の影響が大きいような気がしています。

 

大人も矛盾しているし我儘

大人は子どもが別の子どもに対して「うるさい」などと言うと「そんな言い方しない、もっと優しく言って」なんて平気で言います。

口調がキツめな子は言ってることは正しいけど、言い方が強すぎて繊細な子を傷つけてしまうことがあります。

でもこの口調のキツさは周りの大人の影響であることが多いです。

大人は「うるさい」と言って子どもを傷つけているのに、子どもが「うるさい」と言って子どもを傷つけるのはダメなのです。

子どもに矛盾を指摘されて「先生は先生だからいいの」と言っている先生を目撃したことも実はあります。

 

そんな様子を見て、そりゃあ子どもだって自分は良くて他の子はダメという矛盾したわがままな考え方になるなってふと思ってしまいました。

子どもの我儘や矛盾も大人がやっていたことの真似事だったのかと思うと恐ろしいですね。

 

そりゃあ大人だって人間ですから、矛盾も我儘もありますよ。私だってあります。完璧になんてなれません。

でも自分の何気ない発言や行動や表情が子どもの常識や性格、考え方に少しずつ影響を与えていることは常に意識したいなと思っています。

完璧でなくても、せめて間違いに気づいて謝れるようにはなりたいです。

 

まとめ:大人は子どもの鑑となる意識を持つ

優しい子になってほしい。

悪口や我儘ばかり言わないでほしい。

みんなと仲良くしてほしい。

きちんとマナーを守ってほしい。

 

大人は子どもにたくさんのことを望みます。

子どもに多くを望むのであれば、まずは大人が率先してやっていかなければなりません。

子どもは大人が思っている以上に大人をよく見ています。

口で言っているだけで大人が行動で示していなければ、子どもは変わらないし、大人への信頼感が減っていきます。

 

保育士という立場であれば、どんな時も正しい姿、子どもに真似してほしい言動や行いを心がけなくてはいけません。

それでも間違ってしまうことは時としてあるので、謝ったり、考え直したりするのも大事だと思います。

 

「鏡」は物を映し出す道具。

「鑑」はお手本。

 

子どもという鏡を見ながら、鑑となっている自分を見つめ直す。

つくづく大人の方が子どもに育てられているなと感じます。